地方色の豊かさを実感 岐阜県大垣の鰻 | 食べる!出張経費

地方色の豊かさを実感 岐阜県大垣の鰻

岐阜というのはなかなか行く機会が少なかった。
が、昨年(2004年)の秋、仕事の縁があり、大垣に行く事になった。

大垣のイメージ・・・
何も浮かばん(笑)

いや、「全く」じゃない。関ヶ原の合戦の際に石田三成が布陣したとか、
東海道の宿場町だとか、大垣共立銀行だとか・・・
これがいっぱいいっぱい(笑)

というコトでネットで調べる。

大垣名物とは!!!
・・・何も出て来ねぇ(T_T)
こんなコトを書いたら強烈に失礼なにだろう(笑)
いや、あるんですよ。
和菓子だとか、「四鳥」という超高級と思われる料亭だとか。

でもさ、和菓子じゃ飲めねぇ、高級料亭なんて行けねぇ。
コレが現実。

ということで、何はともあれ現地へ!

朝イチで岐阜羽島駅からタクシーで平田町という町へ行き打ち合わせをし、
昼もだいぶ過ぎた頃に大垣に着く。
あまりに整備された町並に驚く。

大垣という町は、松尾芭蕉の終焉の地ということで、
町おこしのテーマが芭蕉らしい。
至る所に観光客集めのための努力が見られる。
駅から徒歩数分の観光案内所なんて立派。
取りあえずそこへ飛び込み、観光mapらしきものを手に入れる。

で、見つけたのが「川魚料理 川貞」

・ ・・なるほど、大垣という内陸の町であれば川魚!
鯉や鮒?それとも別の魚?
来たいが膨らむ。

観光半分にチンタラと約10分程歩く。
すると目の前に巨大な文字「川貞」と。

・ ・・???
・ ちょい待て!
「うなぎ川貞」

あぁ~!川魚料理って、要するにうなぎかよ!!!

鰻は好きだよ。
三島でも浜松でも都内でもよく(?)食うよ。
でも・・・川魚料理・・・ん~確かにな・・・
微妙に腑に落ちない(苦笑)

とはいえ、時間も時間。3時近かっただろうか?
途中に目ぼしい店も無かったので入ってみる。

店の中は昭和がにおう(笑)

メニューには「おおどん¥3000」などもあるが、
「ランチとして経費で落ちる程度」の「うなぎ丼・竹」を頼む。
オーダーを取りに来たおばちゃんも、なかなか味がある(笑)

5分程で出てくる。
フタを開けてビックリ、「まっ黒やんけ!」
別に関西人ではないのだが。

今まで見た事のない黒さ。
・ ・・まさか黒焦げじゃ。

一口食べてみると、その黒さの理由がわかる。
「甘い」

今まで食べていた鰻とは全く味付けが違い、かなり甘め。
もちろん嫌な甘さでは無いのだが、
余りの味の違いに驚いた。

その糖分の多さゆえ、焼けば焦げ目が多くつくのだろう。
しかし、だからといって焦げ臭いわけでは無い。

私の知っている範疇の鰻を「関東風(名古屋の櫃まぶしも含めて)」と仮定するならば、
関東風はかなり上品な仕上がり。
「大垣風(川貞風)」は、素朴で田舎風だが、力強さを持っている。
それがまた一気に食えてしまう不思議な強さ。

まさか、鰻にそんなに味の違いがあるとは・・・
「日本中を飛び回る」と言い切る割には落とし穴だった(笑)

「どちらが好みか?」と聞かれると、普段から食べ慣れている方かも知れない。
しかし、この味を知らない人が「かわいそう」と思える程うまい。
やはり日本の地方色の豊かさ、それを実感できる。

ちなみにHPで見ると、タレは戦争中に持って逃げた程らしい。
詳細はそちらで。

う~ん、満足。

「先入観を持たずに何でも食ってみる」
改めて思い知らされた店だった。
http://www.ogaki-tv.ne.jp/~kawatei/